- 結婚中に相続した財産は財産分与の対象になりますか?
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結婚中に相続した財産も「婚姻中に共同して形成した財産」にはあたらないので、原則として財産分与の対象にはなりません。
- 結婚前に有していた財産は財産分与の対象になりますか?
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結婚前に有していた財産は「婚姻中に共同して形成した財産」にはあたらないので、原則として財産分与の対象にはなりません。
財産分与について詳しく見る
- 財産分与としてどのくらいの額をもらうことができますか?
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財産分与の額は、婚姻期間、夫婦の年齢、夫婦の資産状況などのさまざまな個別的事情により決められるため、一概に申し上げることはできません。『令和3年 司法統計年報(家事編):第27表 「離婚」の調停成立又は調停に代わる審判事件数ー財産分与の支払額別婚姻期間別ー全家庭裁判所』を参考にしてみてください。
- 財産分与について教えてください。
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財産分与とは、夫婦が婚姻中に築いた財産を、離婚の際に分配する制度です。財産分与は、(1)清算的財産分与(2)扶養的財産分与(3)慰謝料的財産分与の3つに分けられます。
①清算的財産分与
夫婦が婚姻中に共同で形成した財産は、実質的に夫婦の共有財産ですので、離婚時には清算することになります。当事者が婚姻前から有していた財産や、婚姻後に相続等により得た財産については夫婦が協力して形成した財産とはいえないため、原則として清算の対象にはなりません。清算の対象には、動産、不動産、金銭、預金債権、有価証券等が含まれます。
②扶養的財産分与
離婚により、生活が苦しくなってしまう配偶者に対してなされる財産分与です。専業主婦(主夫)などの、離婚により経済的に弱い立場に置かれる配偶者が、離婚後、経済的に自立できるだけの期間の援助という趣旨で支給されるのが一般的です。この分与が認められるためには、請求する側の配偶者に扶養が必要となること、請求される側の配偶者に扶養するだけの能力があることが必要となります。
③慰謝料的財産分与
配偶者の有責行為によって離婚に至った場合には、精神的な苦痛を償うための慰謝料を配偶者に請求することができます。財産分与の際、このような慰謝料も含めて額や支払方法などを定めることが可能です。
- 結婚してから、配偶者が自分の職業や収入について嘘をついていたことが判明しました。この場合、離婚することはできますか?
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だまされて結婚をした場合、詐欺を理由として婚姻の取消しができる場合があります。しかし、婚姻の成立の際に当事者などが事実を誇張したり、不利な事実を隠したりすることはしばしば見られるため、取消しが認められるには、そのような行為が相当強い違法性を有していることや、それによって生じた錯誤が一般人にとっても相当重要なものとされる程度であることが必要です。職業や収入を偽ったのみでは、結婚の意思を直接左右する相当重要な事項とまではいえず、原則として取消しは難しいと考えられます。
なお、詐欺の事実を知って3ヵ月が経過したり、詐欺の事実を受け入れたりすると、取消権は消滅します。
今回、「婚姻を継続し難い重大な事由」という離婚原因が認められれば離婚することが可能です。しかし、これが認められるハードルは高く、夫婦関係を破綻させるに足りる事情が必要です。夫婦というのは「お互いに愛情をもって一緒に共同生活をすること」が中核ですから、職業や収入は家計を支える一要因ではあっても、これを偽ったとしてもただちに夫婦関係を破綻させるとはいえません。離婚原因が認められるためには、夫婦関係を破綻に追い込むような極めて悪質な嘘であったか、または、嘘のほかにも信頼関係を破壊するに足りる事由が存在したことを主張する必要があります。
- 法定の離婚原因があれば、いつでも離婚することができますか?
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法定の離婚原因がある場合でも、裁判所が一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚が認められません。
- 不貞行為をするなど法定の離婚原因を作った配偶者のほうから離婚を申し出ることができますか?
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訴訟となった場合、婚姻の破綻に責任がある配偶者からの離婚請求は、原則として認められません。
しかし、以下の3つの要件を満たす場合には、有責配偶者からの離婚請求が認められる可能性があります。
①夫婦の別居が両当事者の年齢および同居期間との対比において相当の長期間におよんでいること
②当事者の間に未成熟の子がいないこと
③相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態に置かれないこと
- 配偶者が度を越した宗教活動を行っています。これは離婚原因になりますか?
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夫婦間においても信教の自由は尊重されなければなりませんが、宗教活動に過度に専念するあまり婚姻関係が破綻したというような場合には、婚姻を継続し難い重大な事由にあたり離婚が認められる可能性があります。
- 夫婦間の性関係についても離婚原因になることはありますか?
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配偶者の一方が性的不能であったり、相当期間性交を拒否し続けていたり、性的行為が異常であったために婚姻関係が破綻したような場合には、婚姻を継続し難い重大な事由にあたり離婚が認められる可能性があります。
- 配偶者が、うつ病、アルコール中毒、薬物中毒、重度でない精神障害です。これらは離婚原因になりますか?
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これらのことが原因で婚姻関係が破綻したような場合には、婚姻を継続し難い重大な事由にあたり、離婚が認められる可能性があります。ただし、離婚を求める配偶者が誠意ある介護・看護をしている、障害のある配偶者に対する離婚後の療養生活の保証があるといった事情がないと離婚が認められにくい場合があります。
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